苫小牧でフェリーを降りて、定山渓まで85㎞の距離。
仙台からフェリーで友達が来た。 苫小牧フェリーターミナル西港に迎えに行き、今日は日帰りで定山渓温泉に向かうことにした。
仙台から苫小牧は、距離約560㎞、仙台港を前日の19:40に出て、15時間の船旅。
苫小牧に11:00に着いて、そのまま走り出す。
疲れてない?お腹すいてない?と聞いたら、船の中でしっかり睡眠とってきたし、船内レストランは充実していてディナーは和洋中のビュッフェ、朝はモーニングビュッフェと、お腹いっぱい食べてきたとかで、逆に羨ましい限り。
ではでは、走りましょう。
友は以前こちらに住んでいたから、このドライブコースは頗るお気に入りのコースで、お天気も良く、エアコンを止めて、窓を全開にして、助手席で風を身体中に受けて「風がさらっとしてるぅ~」と、上機嫌。喜んでくれる友の顔を見ている私も幸せな気分になります。
支笏湖までの道は、最近は熊が目撃されたりと、鹿は沢山いるけれど、以前は熊が出てくる場所じゃなかったのに、北大ヒグマ研究グループが行った調査では、1990年までは「春クマ駆除制度」があり、絶滅政策が行われたそうですが、その後動物保護の観点などから制度は廃止され、クマの頭数は急速に回復し、連続する森から広範囲な移動があり、更に増え続けたのだそうです。
支笏湖へ向かう道は人工林が多く、ヒグマがセミを食べていて、セミの幼虫が人工林で沢山羽化するという環境に食餌行動がでているんだそうです。
鹿は住宅地にも平気でどんどん出没し、何事もない顔で人間と共存していますが、流石にクマとの共存はかなり危険です。怖いもの見たさと言うこともありますが、クマとの遭遇は身の安全の為には、絶対あってはならない遭遇といえます。
鹿たちは、住宅地にも遊ゆうと入ってきています。横に車が停まっても、何も驚く素振りを見せません。
そんな熊談議をしているうちに、苫小牧を出て20分、支笏湖温泉に入りました。
温泉街は小さく数件の宿が並ぶくらいですが、その中には最近人気の食事が美味しいホテルがありますが、まだお腹がすかないので、そのまま通過します。
温泉街を過ぎ、小さな坂を下ると目の前に見事な河畔が拓けます。支笏湖です。
途中の支笏湖
湖畔沿いを走ると、天気によって湖面の色が変わり、春夏秋冬が楽しめます。
撮影日は8月初旬、夏の日差しの暑い日です。
映画「男はつらいよ シリーズ23作目」では寅さんが啖呵売に支笏湖を訪れています。
支笏湖の約半周が、今は無料になっていますが、20年ほど前までは有料道路で湖面が見えてきた所に料金場がありました。確か、あの頃で通行料が200円か300円だったと記憶しています。行きも帰りも通行料がかかる湖畔半周の湖畔沿いの道は有料でも走る価値がある程の絶景です。
湖畔沿いを抜けた所から山道になり、アップダウンと曲がりくねったカーブが次々に続きます。下りではシフトダウンを使って減速しながら走ることをお勧めします。
地元の人達にも半日ドライブコースとして人気のあるコースなので、走り慣れている地元ドライバーが車間距離を狭めて来ることが多いです。嫌だなと感じたら、見通しの良い所で進路を譲った方が、気持ちも楽に走り続けられます。
この日は天気も良く、樽前山が奇麗に湖面に映っていました。(逆さ樽前山です。)
支笏湖から山道を抜けると、札幌市に入ります。
札幌の南に位置する石山地区に出ます。 石山という地名の由来はアイヌ語で「ウコッ・シリネイ」(互いに山にくっついた所)と呼ばれていたものを昭和19年に字名改正で石山になったそうです。
石山に入ると街並みが続き、交通量も一気に増えます。今まで信号機を忘れるほど、苫小牧を過ぎてから信号機が無い中を走っていたので、急に信号機が煩わしくさえ感じる20分間です。
街中を抜け、再び静かな山間を走るとまもなく定山渓に入ります。
定山渓は札幌の奥座敷
道路脇のあちこちにお湯(温泉)が出ています。
「水源の森100選」にも選ばれた豊かな森が抱える地下水が長い年月をかけて「定山渓温泉」「小金沢温泉」「豊平峡温泉」「薄別温泉」それぞれの湯源となって自然湧出しています。
豊かな自然が育む四つの泉質がある温泉です。
苫小牧からのルートの他に
札幌駅から車で50分、新千歳空港から車で80分、札幌駅からは送迎バス「カッパライナー」が出ているので、電車で札幌まで来て、そこからバスに乗るのもよいです。
定山渓には河童がいます
定山渓の温泉街を歩いていると、至る所に可愛い河童の銅像があります。
定山渓のマスコットとして親しまれていますが、「カッパの伝説」があります。
明治時代、豊平川(札幌市の市街を貫通する、石狩川支流の一級河川)で、当時村でも美男子で有名だった青年が川で魚を釣っていると、急に引き込まれるように川底に沈んでしまい、目撃した人達がすぐに救出しようとしましたが淵が深く、流れも速くて助けることができませんでした。
青年はついに発見されず1年が経ちました。青年の一周忌の夜、父親が夢を見ました。 「女河童に気に入られて結婚した。今は妻と子供と一緒に幸せに暮らしているから心配しないで」と青年が笑顔で語ったそうです。
それ以来、その川淵でおぼれる人は居なくなったそうです。 引きずり込まれる話は身の毛がよだちますが、なんだかハッピーエンドのような気がします。
そんな伝説から「河童」は定山渓のマスコットキャラクターとして、可愛がられ、親しまれている。 街には、かっぱロードやかっぱの水飲み場・橋の欄干などにかっぱが登場する場所が23か所もある。 散歩コースでいくつ見つけられるか探してみるのも面白いと思います。
二見公園には「かっぱ大王」も、いました。
かっぱ大王は昭和40年、かっぱ祭りで、おおば比呂司のアイデアとデザインで作成されました。 近くに寄って見上げると、なんともふてぶてしく見える時がありますが、定山渓の発展と安全を見守っている貫禄も感じます。
かっぱ大王の横にある水飲み場と、穏やかな流れの二見公園横河川敷は子供たちが遊べる場所です。
定山渓温泉は、緑豊かな渓谷の湯処です。観光協会の調べでは年間240万人程の方が訪れるそうです。
温泉質 ナトリウム塩化物泉ほか 温泉数56 宿泊施設23軒
紅葉の景勝地で9月末から10月初旬は見頃です。
温泉饅頭は当然「かっぱ饅頭」です。
私たちの昼食はお蕎麦を選びました。
同じ道を帰るのはつまらないので、中山峠を抜けて倶知安から洞爺、大滝、白老のルートで苫小牧着18:00。走行距離350km
途中、中山峠頂上で食べた「いもちぃ」
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